銀行 送金のラインナップ

このマンションは海岸通りにあり、環境も優れていたから5年以上住んだ。
購入したときの年収はまだ600万円程度であり、5年たった頃には1000万円は超えていたが、ステップ返済で毎月の返済が3万円上昇しただけで、家庭内での食卓の料理はずいぶん変ってしまった、という経験がある。
所得が上がれば、それにあった生活になるから、案外、生活は落とせないものである。
結局、この「ゆとり返済」は廃止されたが、どうもこの制度に走ったこと自体、住宅金融公庫の融資姿勢には問題があったように思う。
たぶんゼネコンの救済措置の一環だろうが、これらの措置は、むしろ逆に景気回復の足を引っ張ることになる。
住宅ローンを借りやすくして不動産を購入させたところで、現状の手立てでは一時取得者層しか動いていないのであるから、さほど景気の回復には結び付かない。
むしろ、住宅ローンや消費者ローンの金利負担が増えるから個人の消費に結びつかないばかりか、先に述べた5年後の不良債権予備軍を助長させているようなものである。
また大蔵省も1993年からいろいろな手を打っては、不動産を買わせようとしている。
住宅資金贈与で、贈与を受ける人が受ける前まで賃貸に住んでいた場合、500万円までは20万円の贈与税を支払えば、直系尊属に限って贈与させてくれていたのを、1995年には1000万円で70万円を支払えば住宅資金贈与として提供していいというように変更になった。
この制度も先に述べた通り、賃貸に住んでいた人に限定することによって、一次取得者層に有利なものでしかない。
こんなことをいつまでやっていても一向に景気なんて回復しない。
賃貸に住んでいようがなかろうが、この制度を受けさせてあげれば、先のように買い替えを希望している人だって自己資金に充当できるのだから、買い替え需要の促進になる。
買い替えが促進されれば、当然中古市場も活性化するから、リフォームをする人だって増える。
家具も売れる。
そして景気も回復するのである。
またもや話はそれてしまったが、最近はこの制度を利用して相続対策上、ご子息に不動産を買わせることなども行っている。
将来、親と同居するまでの間に住むためのものをこの住宅資金贈与を使って購入するのだ。
この住宅資金贈与の場合は1000万円に対して70万円の贈与税でよいのであるから、単純税率は7%である。
単純な話、相続税率の上限は70%である。
1000万円の現金を持っていれば、この人は700万円の相続税が課せられることになる。
であれば、この制度を利用して息子や娘に贈与しておくのも手である。
相続税が課税され得る方にはこの制度の利用をお勧めする。
いずれにしても、現状の一次取得者のみを優遇する各方面の政策は、必ず将来、不動産取引に歪んだ傷跡を残すだろう。
このままこの近視眼的な政策を変更せずして一次取得者向けのマンションばかりを供給していれば、あと15年もすると、これらのマンションばかりが中古市場に過剰にダブつき、需要は追いつかずに閑古鳥がないてしまうことになる。
ここでも、見方を変えればチャンスがある。
現状、マンションの価格は異常に安い。
条件の悪い所が売れないこともあって、条件の良い所まで「連れ安」の傾向にある。
また併せて、先の住宅金融公庫の融資の制度もあって「新築マンション」は売れやすくなっている半面、「中古マンション」の需要は供給に追いついて例えば、不動産投資をこれから始める方には、分譲マンションを購入して賃貸することがお勧めである。
一棟のアパートやマンションの場合、ランニングコスト等が、結構、よめなかったり、何かトラブルが生じれば、大きな費用がかかったりする。
その点、分譲マンションの場合、管理費さえ払っておけば、管理組合が清掃からメンテナンスまでやってくれるし、ご丁寧に将来の補修費用に充てるための修繕積立金なるものも徴収してくれる。
以前では分譲マンションなど買って賃貸したところで、たいした利回りは見込めなかったが、ここまで価格が下がれば、話は別である。
管理が行き届いて、立地条件等の良い分譲マンションであれば、十分投資に向くのではないか。
(4)商社の動き最近、都心部の不動産価格が下がったことにより、商社が都内でビルを買うケースもみられるようになってきた。
商社というのは、相場のバランスをみて商品を買ったり、売ったりしながら商売をするプロである。
自分で使用している所といえどもテナントのほうが得だと思えばテナントに移る。
不動産価格が底だとみれば、不動産を持ったほうが得だと考える。
現在、一部の商社では現実に、不動産を持つような動きがある。
また最近は、海外の投資家が日本の不動産を買いに来ている。
現実、私自身、200ユニット(200戸)以上のマンションかアパートの購入を依頼され動いているが、海外の投資家の場合はファンドを組んで法人で不動産投資に取り組んでいるのに対して、日本の場合、居住系のものはほとんどが個人の地主などが所有しているので、なかなか大規模な投資に結びつかない。
将来的には日本の場合も、国際標準にならざるを得ないだろう。
(1)金融機関の間違った評価方法が不動産価格を下げている金融機関の不動産評価の仕方は、いまだに「掛け目」主義である。
例えば3000万円のマンションを買おうとするとき、金融機関が定める融資額の上限は2400万円(3000万円×80%である。
せいぜい多めに貸してくれたところで2700万円としても、300万円の自己資金が必要となる。
つまり、この購入金額に対する融資の割合を、金融機関では「掛け目」というのである。
さて、上記物件を購入するとなると、だいたい諸経費には300万円程度かかるので、自己資金が600万円ないと買えないことになる。
その場合、自己資金が400万円しかない人が購入しようとする場合、売り主に対して2800万円に値引きしてくれるよう交渉することがある。
この場合、何とか売り主がその交渉に応じてくれて、たまたま銀行も2700万円貸してくれたとする。
2800万円で売買して、2700万円の貸出しの実績ができたとする。
さて、前記マンションが、たまたま大規模なマンションのひとつで、まったく同じ間取で、同じ階数のものが前記取引の後に売りに出て、同じような条件のお客さんがついたとする。
すると、この時には売買金額の基準が2800万円になってしまう。
先に買ったお客さんは、当初の売買金額が3000万円であったから、2700万円を借りることができたが、次に買ったお客さんは、いくら売買価格が3000万円であったとしても、先の取引金額が2800万円であることを理由に、この9掛けの2520万円までの融資ということになる。
本当に3000万円で買った場合は、諸経費300万円を売買価格に加算した金額3300万円と2520万円との差額である780万円を自己資金で用意しなければ、この物件は買えない。
結局、後から買おうと思ったお客さんも、780万円も用意しなければ買えないのであれば、もっと良い物件を探すか、買わない方向になってしまうのである。
仕方なしに、前記の後から売り出した売り主は、売り出し価格を下げざるを得なくなってしまい、2800万円で売りに出す。
ところが、これまた自己資金が580万円もある人は少ないから、2600万円くらいで値段の交渉が入ったりする。
そこでこの売買が成立すれば、銀行の融資の上限は2600万円の9掛けである2340万円になってしまう。
例えば、前記のように、同じマンションにこのような売買がたて続けに行われれば、あっという間に売買価格は下落してしまうのである。

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